Director's Promise理事長所信
スローガンslogan
GO FOR IT
基本理念basic principle
You only live once
人生は一度きり 熱く 楽しく!

2019年度 第46代 理事長
Ikemizu Daichi
池水 大地
基本方針Basic policy
- 海から始まるロマン溢れるまちづくり事業の実施
① 地方創生~若者を地元へ~つながれる場所の提供
② 自然体験型青少年育成事業の実施 - JCを存続させるための研修、例会の実施
- 未来へつなぐ同志拡大の実施と新入会員へのフォロー
- 公益社団法人日本青年会議所、国際青年会議所その他の国内及び国外の諸団体との連携、相互理解、親善に関する事業
- 魅力ある広報活動による自信あふれる指宿JCの発信
理事長所信Director's Promise
【始めに】
2011年の入会当初、私の青年会議所のイメージはあまり良いものとは言えませんでした。最初の例会では、変な団体に入ってしまったのではないかと本気で入会を後悔したほどです。しかし、委員長という役をいただいた2014年あたりから少しずつ青年会議所のイメージが良い方向へ変化していきました。本気で地域を良くしたいという純粋でまっすぐな気持ちを持ち、利他の精神でまちづくり事業に従事する諸先輩方や仲間達の姿を見続けたことも理由の一つですが、イメージの好転につながった一番大きな理由は指宿青年会議所という組織の絆の強さを体感したからでした。
私が実行委員長を務めますIBUSUKI SUMMER BREEZE(IBUSAMA)という体験型の夏フェスは2018年で5回目を数えました。指宿青年会議所の青少年育成事業で始まったこのイベントは、毎年1000人を超える集客を集めるイベントとなりました。そのイベントを開催し続ける中で私は多くの事を学びました。その中で最も強く学んだことは仲間の大切さです。事業を計画し、いざ実行に移すときに想定外のトラブルやミスが必ず起きます。そんなとき助けてくれる仲間の存在、このまま進んで良いのか?決断を迫られた時、一人で戦っているのではないという安心感、会社の利益を顧みず力を貸してくれる仲間達。そういった仲間達の存在がなければ第一回目でイベントは終了していたことでしょう。
次に私が学んだことは、例え最初はたった一人の熱狂であっても、諦めず声をあげ続けていれば、その熱狂は伝染し、やがて多くの人を巻き込んだ大きなうねりになるということです。IBUSUKI SUMMER BREEZE(IBUSAMA)を始めたとき始めは私一人でした。しかし回を重ねる毎に協力者は増えていき、イベント規模も大きくなっていきました。協力してくれる人達は決して損得を考えて協力しているわけでも、自らのスキルアップの為でもありませんでした。ただ楽しい事をしたい、楽しい事に携わりたい、指宿をより楽しい場所に変えたい。それぞれ皆がそう望んだ結果でした。
指宿JCビジョン2023に掲げた「指宿に生まれて良かった。指宿に住んで良かった。指宿に来て良かったと思えるまちづくり」を実践するためにも、まずは我々JAYCEE一人ひとりが自らまちづくりを心から楽しみ情熱を持って行動することが必要であると考えます。何かを成すときに一番大きな力を生むのは、利益でも圧力でもなく、楽しいという気持ちであると私は信じています。IBUSUKI SUMMER BREEZE(IBUSAMA)が指宿青年会議所の主催を離れた今でも、第一回開催当時からその運営を支えてくれたスタッフは一人もかけることなく今の私にとって宝物と言うべき、大切な仲間となりました。志を同じくし同じ温度で情熱をもって行動したとき、必ず事業は成功し、指宿青年会議所のメンバー同士には強力な絆が生まれているはずです。
2018年、我々が住み暮らす日本は未曾有の災害ラッシュに見舞われました。未だかつてない規模の台風22号による本州上陸やその直後の北海道地震。指宿でも2017年7月には震度5強という地震に見舞われました。これから先は日本中どこにいても安心できない、そんな気風が日本中に流れています。こんな暗い時代だからこそ、我々JCは地域のリーダーたらんとする気概を持って、市民をワクワクさせるようなロマン溢れる事業の実現が不可欠であると考えられます。
さぁ今こそ 帆を張り 碇を上げて、未だ見ぬ新世界へ出航しましょう。
【海から始まるロマン溢れるまちづくり事業】
我々が住み暮らす指宿市は年間300万人の観光客が訪れる観光都市です。一見多くの観光客が訪れているように感じますが、残念ながらこの数字は観光地としては決して誇れる数字とは言えません。さらにここ数年、日本各地における災害や一時的な社会情勢以外を除き、指宿に滞在する観光客は緩やかながら減少の一途をたどっています。今後の指宿の観光を考えると、他観光地にない指宿らしい資源を生かした新たな産業が必要であると考えられます。2015年10月より指宿港海岸施設整備事業が着工されました。工事完成後は、広大な砂浜と整備された緑地帯から成る美しい海岸線の完成が期待されます。しかし観光地における魅力的な海岸とは立地条件も重要ですが、それ以上に「人が集まる要素がどれだけあるか?」という事を考えることが最も重要であると考えられます。観光地の海岸としての景観、市民にとっての憩いの場等あらゆる可能性を含んだ、光輝く未来の指宿を創る為に、今だからこそ我々JC が立ち上がり、指宿の市民へあらゆる可能性や夢を与えることが必要であると考えます。近年、我々指宿青年会議所は海岸を盛り上げるため様々な活動を行ってきました。音楽とエクスストリームスポーツで夏の指宿を盛り上げるIBUSUKI SUMMER BREEZE(IBUSAMA)の開催や、2018年には一週間限定で海の家をオープンし、積極的に観光地としての海岸の過ごし方を市民に提案してきました。今年度はさらに8年後の指宿港海岸整備事業の完成を見越し、JCとして観光地の海岸をいかにして魅力的に活用すべきか、ソフト面だけでなく新たにハード面にも重きを置いた事業を展開して行きたいと考えています。① 地方創生~若者を地元へ~つながれる場所の提供近年若者の地方離れが深刻化しています。しかし、夢や目標、様々な想いを抱いて都会に出て行く若者達に地方創生の重要性を説いたとしてもそう簡単に通じるとは考えられません。『今、この地域が廃れているから盛り上げていこうよ』ではなくて、逆に『今地方が楽しいんだよ』『まちづくりって面白いんだよ』が先行すれば多くの若者達が地元に残る道を選択し、まちづくりのあらゆる活動にも積極的に参画すると考えられます。これからの未来を担うのは若者達です。まちに若者が減少すれば、まちは若さを失い活力溢れたまちづくりの実現からは遠く離れてしまいます。近年人々はお互い目を見て会話するより、デバイスを見つめる時間が長くなってきたと言われています。都会ではずいぶん以前から人々のつながりの希薄化が問題視されていましたが、現状ではさらに悪化していると考えられます。こんな時代であるからこそ、指宿港海岸を、地方ならではの、心落ち着く“居場所”の存在、またその場所に行けば仲間や知り合いに会える“つながれる場所”の存在に昇華させていく必要があると考えられます。指宿港海岸が指宿市の新たな名所となることで、あらゆる商業施設が開設され新たな雇用が生まれる事に繋がり、若者の地元離れを防ぐ手段としても効果的です。指宿青年会議所全員が同じベクトルで一丸となって光り輝く未来の指宿港海岸を作っていくために、市民を巻き込み大きなムーブメントを波及させていくような事業を行うことが不可欠であると考えられます。② 自然体験型青少年育成事業の実施私が少年だった頃の記憶をたどるとき、まず思い出されるのは海の記憶です。当時夏になると父は幼い私を浮き輪に乗せ、ロープで自分の体と繋ぎ沖に連れて行きました。足もつかない沖に連れて行かれ、初めて水中眼鏡でのぞき込む海中世界はあまりに深く広く、少し不安になりながらも、自由に泳ぎ回る魚たちや不思議な形の海藻にワクワクが止まらなかったことが思い出されます。また当時は砂浜付近でのキャンプやBBQ等、朝から晩まで海にいるような日も頻繁にありました。今でもそういった思い出達は色あせることなく鮮明に私の心に焼き付いています。アメリカの海洋学者レイチェル・カーソンの言葉で以下の言葉があります。「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。(『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン)まずは我々大人が、あらゆる事を体験させる事が子ども達の成長に最も重要であると考えられます。例えば、動物や植物の名前を覚える場合、教科書やネットで写真を見てそれが何かを知った子は、その写真と名前が一致したにすぎません。しかし、自然体験の中でそのものを自ら発見して、それが何かを知る場合、子どもは視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚、五感全てを使ってそのものが何かを知ることができます。そこには感動や驚き、発見があり、そこから「これは何なのだろう?」という疑問が湧き、「もっと知りたい!」という探究心が自然と出てくるのです。そのように自分から見つけ出した知識は、与えられて受動的に学んだ知識よりも、しっかりと記憶に残ります。我々が皆少年だった頃それぞれ体験した、夏の一日の記憶。降り注ぐ日差し、皆の笑い声、潮水のしょっぱさ、潮騒に、自由に泳ぎ回る魚達。我々が提供する一つひとつが、いつまでも色褪せない思い出の種子として子ども達の心に残り続け、将来大輪の花が咲く事を信じて活動します。
【JCを存続させる為の研修例会の実施】
ここ最近指宿青年会議所の例会や事業に出席するメンバーは固定化され出席率も低下傾向にあります。全体的な会員数の減少もありますが、私が考える最も大きな原因は理事役員とフォロワーメンバーの青年会議所の活動に対する温度差にあるのではないかと考えています。本年度は、「メンバーとの繋がり」を再確認しメンバー間の交流を第一に考える事で、温度差を無くし指宿青年会議所全員の心を「ひとつ」にする為の例会を開催していきます。
また、今年度の例会は、まず「楽しむ」ことをモットーに、メンバー自身に「行ってみたい」と思ってもらえるような例会にしたいと考えています。メンバー自身が改めて指宿青年会所の活動を楽しいと感じることで、そのモチベーションが内発的動機付けとなり、おのずと例会や事業への出席率は向上していくと信じます。
また魅力的な講師を招き講演を受けることで、自分でも熱狂できる何かを見つけ、JC活動の充実に役立ててもらいたいと思います。現在日本に住む我々にはインターネットを通じ多くの情報を得る環境にあります。しかし昔のように家族が一つのテレビで同じ画面を見ることも少なくなり、学校でも昨夜のテレビについて話すことがなくなったと聞きます。スマホなどのデバイスのアプリは持ち主である自分に興味のある情報しか見せません。ゲームが好きな人にはゲームの情報、ゴシップファンにはゴシップ情報を。このように数多の情報が溢れているはずの同じ日本に住む我々にすら情報格差が生まれています。少しでも多くの情報、知識を得、咀嚼し正しい物だけ吸収しなければなりません。
情報社会の今だからこそ、できるだけ多く魅力的な講演会を例会で開催し、メンバーに会費に見合う何か一つでも学び取ってもらい、職場や家庭に持ち帰ってもらいたいと考えています。
今後指宿青年会議所が存続していく為にも新入会員拡大活動はもちろん必要ですが、まずは指宿青年会議所のメンバー同士が絆を強め、理事役員とフォロアーメンバーの垣根をなくし指宿青年会議所全体が本当の意味で「ひとつ」になるようなJC活動を行っていく必要があります。例会に出席する事で、各の役割、担いを実感し、メンバー間にチームワークが生まれる事でメンバー全員が同じ温度、ベクトルで事業実現に向かう事に繋がっていく、そんな例会の実現を目指します。
【結びに】
“Go for It”。サーファーたちに長い間愛されてきた言葉です。多くの場合、この台詞は勇気をともなう波と対峙したときに使われてきた言葉ですが、我々がハートを試される壁はなにも波だけではありません。言葉も常識も通じない見知らぬ国へ旅するとき、次のステージを目指して環境や仕事のステップアップを求めるとき、夢と現実の狭間で揺れているとき。つまり、人生における何かしらの岐路に立たされたときです。行くべきか、とどまるべきか。その決断は人それぞれですが、現在の自分を乗り越えるために、意を決し突っ込むべき瞬間があるのもまた事実。そんな自らのロマンや夢、自分なりの成功のカタチに向かって突き進む熱い男たちの一本の映画のような一年にするべくこの言葉を掲げました。JCの理念としてリーダーを育てる。というものがあります。リーダーの定義は人それぞれですが、一つの捉え方の例として、スーパーマンのように長所も短所も無く一人で全てをこなせる存在をリーダーの定義とする考え方があります。もちろんそんなリーダーも確かに存在すると思います。しかし私はそのような組織にはあまり大きな成長は望めないのではないかと考えます。いかに優れた人物であろうと人間一人に脳は一つなのですから、多くの仲間とチームで荒波を乗り越えていくような組織には決して及ばないと考えられるからです。私はリーダーの資質としてスーパーマンである必要はないと考えます。できることとできないことを自分で把握し、短所の克服ではなく長所を伸ばす。一人ひとり、それぞれできることを持ち寄り、出来る事をできる人がすれば、おのずと役割分担が生まれ、それぞれのモチベーションも上がり、個々の温度差も生まれません。仲間同士、本当の意味で助け合い補い合う事で成長していく、そんな組織を目指します。また無理なくやりがいのある事業を実現していくことで、メンバーは自発的に事業に参画するようになりJC活動が楽しくなります。面倒なことや苦労も仲間で分かち合えばそれは苦痛ではなく絆をつくる良いスパイスになり、生涯続く仲間を作ることにつながります。昨年指宿青年会議所は45周年を迎えました。情熱を持ち率先して行動してきた先輩方と多くの皆様のご理解やご支援の基に迎えられたことを深く感謝します。本年度も郷土指宿のリーダーたらんとする気概を持ち、理事役員のみならずメンバー全員一丸となって「楽しい」まちづくり活動に邁進していきます。青年らしい自由な発想と行動力で、まずは自分たちが楽しむことを念頭に生涯忘れることのできない情熱に溢れた一年にします。